2ntブログ
浜岡ポン太、マフマフが運営するブログサイト「マフポコの巣」の姉妹サイトです。

※18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「自分ッスか?」
 糸鋸は真っ直ぐに御剣を見て話し出した。
「自分はこの仕事が好きッス。それに、御剣検事は自分たち現場の人間を信用してくれてるッス! だからそれに応えるためにも、頑張るッス!」
「私や、私以外の者達にたたかれてもか?」
 はちゃあと言い放ちながら恐縮する糸鋸は、照れながら語る。
「自分は御剣検事と違ってダメダメっす。いつも迷惑ばかり掛けてるッス。それでも、全力で頑張るッス!」
「そうか」
 御剣はゆっくりと目を開き、糸鋸を見つめながら語り出す。
「私は勝たねばならない。そして真実にたどり着く。それが私の使命なのだ」
 糸鋸はうんうんと頷きながら聞き入っている。
「その為にはキミら現場の人間に頑張ってもらう必要がある。現場の不手際は私の不手際となり、真実への道を塞いでしまう。」
「ううう、すまんですッス」
 説教される子供のように、糸鋸が小さくなる。
「だが、現場が頑張っているからこそ、私は勝ち続けることができるのだ」
 御剣の言葉に糸鋸は勢いよく顔を上げた。
「感謝している」
 優しい笑みを向ける御剣がそこにいた。糸鋸は胸が熱くなり、頬を濡らす。
「う、うおおおおおッ! 嬉しいッス! 感動ッス!」
 わんわんと泣きだした糸鋸に、御剣は困惑する。
「なんだ、泣くやつがあるか」
「嬉しいッス! 猛烈に感動ッスぅぅぅ!!」
 御剣は溜息をついて、糸鋸の頭を撫でた。
「子供みたいだな、刑事」
「うおおおおおおん!」

(つづく)