バンッとテーブルを叩き、糸鋸は身を乗り出した。
「違うッス! そんなことないッス!」
「刑事」
「はいッス!」
「近すぎる」
「すす、すみませんッス!」
糸鋸は肩を落として身を引いた。しょんぼりした糸鋸を見て、御剣は声を掛ける。
「感謝している、刑事」
「え!?」
「居酒屋、実は初めてなのだ。一度行ってみたいと思っていた」
パァッと輝いた笑顔を御剣に向ける。
「そうなんッスか! よかったッス!」
「キミの気持ちは、とても――」
何かを言いかけた御剣の言葉を、店員がかき消す。
「おまちどうさまですッ」
二人の前に中ジョッキに入った生ビールが置かれた。
「う、うむ」
御剣は口をつぐんだ。
「それじゃ、乾杯ッス!」
「うむ」
二人はカツンとジョッキを打ち合った。
「んぐ、んぐ、んぐ、うッはぁぁぁッ!」
糸鋸は半分近くを一気に飲み干し、ドンッとテーブルにジョッキを打ち下ろす。
(つづく)
「違うッス! そんなことないッス!」
「刑事」
「はいッス!」
「近すぎる」
「すす、すみませんッス!」
糸鋸は肩を落として身を引いた。しょんぼりした糸鋸を見て、御剣は声を掛ける。
「感謝している、刑事」
「え!?」
「居酒屋、実は初めてなのだ。一度行ってみたいと思っていた」
パァッと輝いた笑顔を御剣に向ける。
「そうなんッスか! よかったッス!」
「キミの気持ちは、とても――」
何かを言いかけた御剣の言葉を、店員がかき消す。
「おまちどうさまですッ」
二人の前に中ジョッキに入った生ビールが置かれた。
「う、うむ」
御剣は口をつぐんだ。
「それじゃ、乾杯ッス!」
「うむ」
二人はカツンとジョッキを打ち合った。
「んぐ、んぐ、んぐ、うッはぁぁぁッ!」
糸鋸は半分近くを一気に飲み干し、ドンッとテーブルにジョッキを打ち下ろす。
(つづく)