「まずはこれからッス」
「これを食べるのか?」
「ビールには枝豆ッス!」
「そう、なのか」
御剣は枝豆を手に取り、唇ではむ。押し出された豆が、口の中に転がる。
「うむ、うまいな」
「でしょう! ビールに枝豆、これが居酒屋の常識ッス! ド定番ッス!」
顔を乗り出して話す糸鋸を眺めながら、御剣はぎこちないながらも黙々と枝豆を食べ続ける。
「むッ、むぅ」
御剣の口元から枝豆がこぼれ落ちた。
「おっと」
テーブルに落ちた豆をヒョイと拾い、糸鋸はパクッと食べた。
「刑事、汚いぞ。落ちた物を食べるとは」
「大丈夫ッス、汚くないッス」
「しかしだな、その豆は私が口を付けている」
「全ッ然、平気ッス!」
満面の笑みを浮かべて話す糸鋸。御剣は口ごもり言葉を失う。
「おまちどうさまですッ」
二人の前に冷えきった生ビールが置かれる。
「ささ、酒がきたら、なにはともあれ乾杯ッス!」
糸鋸はジョッキの取っ手を掴み、御剣の前に差し出す。
「そ、そうなのか」
御剣は無駄のない動作でジョッキを掲げる。糸鋸は勢いよくジョッキを打ち付けた。
「乾杯ーッス!」
「あ、ああ、乾杯」
(つづく)
「これを食べるのか?」
「ビールには枝豆ッス!」
「そう、なのか」
御剣は枝豆を手に取り、唇ではむ。押し出された豆が、口の中に転がる。
「うむ、うまいな」
「でしょう! ビールに枝豆、これが居酒屋の常識ッス! ド定番ッス!」
顔を乗り出して話す糸鋸を眺めながら、御剣はぎこちないながらも黙々と枝豆を食べ続ける。
「むッ、むぅ」
御剣の口元から枝豆がこぼれ落ちた。
「おっと」
テーブルに落ちた豆をヒョイと拾い、糸鋸はパクッと食べた。
「刑事、汚いぞ。落ちた物を食べるとは」
「大丈夫ッス、汚くないッス」
「しかしだな、その豆は私が口を付けている」
「全ッ然、平気ッス!」
満面の笑みを浮かべて話す糸鋸。御剣は口ごもり言葉を失う。
「おまちどうさまですッ」
二人の前に冷えきった生ビールが置かれる。
「ささ、酒がきたら、なにはともあれ乾杯ッス!」
糸鋸はジョッキの取っ手を掴み、御剣の前に差し出す。
「そ、そうなのか」
御剣は無駄のない動作でジョッキを掲げる。糸鋸は勢いよくジョッキを打ち付けた。
「乾杯ーッス!」
「あ、ああ、乾杯」
(つづく)